陰陽師・安倍晴明伝説の一つに、蛙に葉っぱを投げてつぶした(殺した)というものがあります。
「宇治拾遺物語」などに収められています。
若い僧らに、「あなたは式神を使うそうですね。そうだとしたら、人なんて簡単に殺せるのでしょうか」と聞かれる晴明。
「簡単ということはありません。力を込めてやるのです」
そのとき、庭に5~6匹のカエルが出てきていました。
「では、試してみてください、あれで!」
「あなた方も罪つくりな人たちですね。しかし、やってご覧にいれましょう」
そこで晴明は葉っぱを摘んで、口のあたりに持っていって何かを唱え、カエルのほうにシュッと投げるのです。
それがカエルにかかると・・・なんとカエルはぺちゃんこになって死んでしまったのです!
そのお寺は、広沢(嵯峨野)にあるの遍照寺。
へんしょうじ、と読みます。
江戸時代、広沢池の西から、今の場所に移されています。
近くの広沢池では、毎年8月16日に灯籠流しが行われます。
バックに鳥居型の送り火(五山の送り火の一つ)が見えて、幻想的な光景が見られるようです。