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NHK・BSプレミアムでやっていた、プレミアムアーカイブス「史上空前の論文捏(ねつ)造」を見ました。

これは2005年に放送されたものを再度やったものの様子。

ドイツ出身の若き天才物理学者(と思われていた)、ヤン・ヘンドリック・シェーンの論文捏造問題について取材を行い、まとめられたものになります。

彼は高温超伝導研究の分野において華々しい成果を挙げていたスター科学者でした。
短期間のうちに画期的な論文を次々に発表し、いろいろな賞も受賞、ノーベル賞を取るのも確実などと言われていたようです。

ところが、彼が論文に書いたやり方を他の(世界中の)物理学者が再現しようと思っても、できない。
有機物に薄いアルミ膜を載せるのがどうしてもうまくいかないのです。

シェーンの論文にはその方法は詳しくは書かれていません。

研究に興味のある科学者や同僚たちがやり方を尋ねたり、サンプルが欲しいと言っても、「何も秘密はない」「実験は(ドイツにある)母校の研究室でやっている」といった回答。
(その頃彼はアメリカのベル研究所の研究員でした)

いつしか、そのシェーンの出身大学内にある機械に秘密やコツがあるのだろうと噂され、その機械は「マジックマシーン」などと呼ばれるようになったそうです。

しかし、彼の論文データ等に疑義を抱く科学者もいて、ある日、カリフォルニア大学バークレー校のリディア・ソーン教授(女性)のもとに告発のような電話がかかってきてから事態が動いていきます。

電話の主な内容は「二つの論文を見比べて見て欲しい」というもの。
彼女が見てみると、二つの論文に載っているデータが、細かいノイズ(揺れの部分)も含めて一致するのです。

そのような経緯を経て、ベル研究所はようやく不正調査委員会を設置、調査に乗り出します。

以下はWikipediaの記載から。

委員会は告発の受付を行ったところ数件程度と思われた告発が1ヶ月で24件も集まった。委員会はシェーンの共同研究者全員に質問書を送り、主要な共著者3人である鮑哲南、バートラム・バトログ、クリスティアン・クロックに聞き取り調査を行った。また、加工された数値データを含む論文の原稿を調査した。生データの記録をシェーンに要求したが、研究所のノートには記載されていなかった。彼の生データが記録されたファイルは彼のコンピュータから消去されていた。シェーンによれば、ハードディスクの容量が限界にきていたので削除したとのこと。さらに、実験サンプルはすべて捨てたか、修復不可能までに破損してしまったとのこと。

2002年9月25日、調査委員会は調査報告書を公にした。調査報告書には24の不正行為に関する詳細な申し立てが掲載されていた。このうち少なくとも16件について、シェーンによる科学における不正行為の証拠が発見された。多くの実験において、実験データが組み合わせて再利用されていたことが分かった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3

見ていて驚いたのは、いま日本で騒がれているSTAP論文問題と酷似する点が多々あることです。

この番組が作られて放送されたのは2005年。
2014年のSTAP論文の7年も前のことです。

しかし、「ここも、あそこも・・・」と同じような点がどんどん出てくるのです。
「歴史は繰り返すのか・・・?」と感じてしまいました。

まだ、STAP論文やSTAP現象は真偽がはっきりとしたわけではなく、自分はどちらかと言えばそれらがあってほしいと願っている側。

天地明察の安井算哲(渋川春海)のように、何かしらの要素の見落としがあって、確実な再現ができていないと信じたい。

ですが、番組でやっていた、ヤン・ヘンドリック・シェーンの友人の言葉は衝撃的でした。
ヤン・ヘンドリック・シェーン本人は取材にまったく応じず、テレビカメラの前に現れることも、コメントを出すこともなかったのですが、彼の友人が取材に応じてくれました。
その人によると、シェーンは「世で言われているような不正は行っていない」などと言っているようなのです。

周りと良好な関係を築くためにそう言っている可能性もありますが、自分には信じがたいことでした。

常識的な人には理解できない精神構造が彼にはあるのでしょうか。

そして、そういったものを持つ人はある一定割合いるのでしょうか・・・

(ー`´ー)うーん

STAP論文はこれとは違うと思いたいですが、それには証拠が必要ですよね。

もし本当なのであれば、はやく再現をしてほしい。

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